井上陽水 in 国際フォーラム

 私は、基本的に吉田拓郎のファンでこの22年間やってきた、それは「吉田拓郎と私」でも述べている通りである。しかし、かつて私が井上陽水も大好きであったことを本人もとんと忘れてしまっていた。GOLDEN BESTが出て、大騒ぎになったときもあまり買う気が起きなかった。(ちなみにユーミンのNEUE MUSIKも買ってない)

 昨年夏、ユーミンのSHANGRILAを見に行った帰り、一緒に行った知人(笑)に「次は誰が見たい?」と聞いたら、「井上陽水かな」(21才のくせに)というので、「もしチケットとれたらね」と言っていた。しかし5年振りのツアーは既に9月29日から始まることになっており、東京関係はもう発売されていた。そしたら、秋も深まった頃、チケットニフティのメールマガジンに2月の東京国際フォーラムのチケット発売が告知された。(たまにはメールマガジンも役に立つものだ)チケニフで2月16日の券を入手し、その日に備えて曲を聴き直すなんてことはしなかったが、その日は来た。あいにく、昼間、飯田で仕事が入っており、とんぼ返りになってしまったが、なんとか開演前に会場に滑り込んで驚いた。異常に客の年齢層が高い。どう考えても平均45才以上だ。拓郎だってここまで高くないぞ。

 そして、コンサートが始まって、その異様な雰囲気は最高潮に達した。淡々と歌い続ける陽水。拍手しかしない客。うーん、20年前に1回だけ行った時とはやはり雰囲気が違う。それにしても、なんでこんなに曲を知ってるんだろう。一曲だけ「ワカンナイ」って曲以外は全部知っていた。アルバム1枚も買ったことなし、しかも、最近なんてまともに聞いてないのに。やっぱ、陽水の曲ってそれ自体ラジオなんかで露出度が高いんだな。 さて、クラシック・コンサートのような雰囲気で続く重苦しさに耐えられなくなり、旅人は遂に声を発した。「ようすーい」まさに、場違い。いやあ、しかし真ん中過ぎたあたりからは徐々に客も声を出し初め少しホッとした。

 聞きたかった「なぜか上海」も終わり、アンコールの最後は「夢の中へ」。これでも客が立たない。最後の曲が終わって、普通ならさらにアンコールの拍手が続くはずが、続かない。どんどん帰りはじめる客。客電が点くまで若干間があったのは、もう1回アンコールがあったような気がして残念でならなかった。その無念の想いがつい、パンフレットとGOLDEN BESTを買わせてしまったのだろうか。おねえちゃんは、次は玉置浩二が見たいといっているが、それは多分もう行かないだろう。(平成12年2月)

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