遂に実現。飯田線の旅

 3月7、8日と会社の労働組合の中央委員会に出席し、言いたい放題発言しまくった旅人は、会議終了後、長野市へ向かうべく、浜松駅から豊橋へ向かった。豊橋駅14時43分発の飯田線飯田行に生まれて初めて乗った旅人は、長野駅到着22時46分という、かつて経験したことのないローカル線の旅に出たのだった。といっても、北海道の赤字ローカル線に民営化前に乗りまくった、旅人の友人達から見れば飯田線一本くらいで甘いと言われそうだ。

 それにしても、飯田まで129.4km、飯田―岡谷75.9km、岡谷―長野87.7kmの計293kmの旅は、長野新幹線222.4kmよりはるかに遠く、東海道新幹線東京豊橋間とほぼ等距離である。考えてみればとんでもない電車に乗ってしまったものだ。

 乗る前にカメラを買えばよかったのに、うっかり忘れ、途中の素晴らしい山間部の景色を撮り損なってしまった。途中、中部天竜という駅で、すれ違いの12分の停車の間に買いに行って、なんとか長野県最初の村、天龍村の平岡駅で証拠写真を撮ることが出来た。(右の写真)

 この、中部天竜だいたい飯田までの中間地点だがここまでで既に2時間。この静岡県佐久間町というところ、昨年のしし座流星群を見るため、ひたすら南下して、ついに浜松まで行ってしまった時に通過した懐かしの町である。車で行ってもとんでもないところだったが、電車で行くと人一倍大変なところである。昔の人はよくこんな山間部に鉄道を敷いたものだ。

 飯田線に乗る前、私が勝手に想像していたのは、飯田線というのはきっと天竜川の峡谷を利用してくねくねと走っているに違いないということだった。長野県内では確かにその通りで、天竜の流れというより、伊那谷の鉄道である。しかし、愛知・静岡県内では、谷から谷へと、トンネルをくぐりながら、谷底を走るいくつもの支流を渡り歩くように少しずつ山を登って行く。まさしく、初めて乗るローカル線の旅の醍醐味だ。

 ひたすら山の中を走り、長野県側に出ると、あとは伊那谷をひたすら走って行く。飯田に19時10分に着くと、すぐ目の前に快速長野行(19時16分発)そして、長野駅に23時に到着、例によってぱんどらへと消えたのだった。(平成12年3月)

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