鼓膜に穴を開けてチューブを入れる(平成21年7月11日)

 グーグルで検索した時にちょうどいいようなタイトルにしてみたのだが、内容の伴わない、参考にならない文章でごめんなさい。
 6月初旬、やけに毎日微熱状態が続くなと思っていた。また、外を歩くと右の耳の中で時々歩調に合わせてシューシューいう音がするなと思っていたところ、ある日突然右の耳が聞こえなくなった。(といっても全然聞こえない訳ではないが)会話をするとき、右を向かないと、つまり左耳を相手に向けないと話が聞き取れないのだ。
 これは決定的にやばいと思い、会社の診療所に相談した。すると、すぐ病院に行った方がいいということで、紹介状を書いてもらい、例によって慈恵医大に行くことになった。救急時間帯に病院に行ったのも、救急外来に行ったのも初めてで、待合席で担架で運ばれてくる急病人の人たちを見ながら、耳鼻科の先生が回診から帰って来るのを待っていた。
 父親が難聴気味だったので、自分も遺伝で突発性難聴になったのではないかとの恐怖を抱きながら、まあそれならそれで仕方ないなどとあれこれ空想を巡らせている内に診察とあいなった。診察の結果は滲出性中耳炎。1日分だけ炎症を抑える薬を出すので、翌日以降地元の耳鼻咽喉科に行って下さいと言われ、その日は帰った。
 翌日、地元の病院なんか行ってられないので、会社の周りで耳鼻科を探し、神田の耳鼻科に行くことにした。会社で耳の話をしていると、最近急性中耳炎になったK部長が夜中に救急外来で麻酔もせずに鼓膜に穴開けられたという恐ろしい話を吹き込んでくる。自分は前日の慈恵と同じ診断なら、炎症止めの薬を1週間分ももらえば、治るだろうと高をくくって神田の某耳鼻咽喉科に向かった。
 いざ診断。それまでの症状、前日の慈恵での診断の話をすると、まずは聴力検査ということになり、狭く暑苦しいボックスに入って年1回の健康診断時の聴力検査なんて気休めだなと思うくらいの綿密な聴力検査をした。結果、右耳の聴力は完全に通常値を下回っている。これは耳管が炎症を起こしていて、中耳に相当水が溜まっているためだという。そして先生は言う。

「鼓膜を切開して溜まっている水を吸い出しましょう」

 ぎょえー、やっぱり鼓膜に穴開けんのかよと思ったがもう遅い、せめてもの救いは麻酔をするということだけだった。麻酔はしたものの、まるで千枚通しのようなメスと称する器具を耳の中に突っ込まれて穴を開け、吸引され、人工鼓膜と称するパッチを当てられる一連の作業(領収明細書には手術欄に点数がついている)は、歯医者なんかの何万倍も恐ろしい体験だった。
 1週間分の薬をもらい、ちょっとはよくなった感じがしたが、翌日耳の中でブチっとか、ゴリゴリとかいう音がするので再び病院へ。水がまだまだ溜まっていて流れるのと、パッチと鼓膜のこすれる音やら穴が塞がる音やらがゴリゴリ音の原因らしい。いずれにせよ、1週間後にパッチを外すということで、お話だけ聞いて2日目は帰って来た。
 薬が効いてきたのか、その後耳の聞こえは少しずつよくなり、1週間後、パッチを外すことに。で、超極細のピンセットみたいな器具を耳に突っ込んで鼓膜からパッチを剥がそうとするのだが、今度は麻酔をしていないので、強烈に痛い。あまりに痛さを訴えるため、その日はパッチ剥がしを断念し、さらに1週間後に再チャレンジすることになった。経過が順調ということで、薬はなし。そして翌週。今度はすんなりパッチが剥がれ、再度聴力検査。改善はしているものの、まだ左耳ほどの聴力は回復していないということで、炎症止めを2週間飲んで様子を見ることになった。
 そして今週。最初の受診から1ヶ月後、経過はよろしくない。また聞こえなくなって来ている。歩くとシューシューいうやつも復活。インターネットで調べると、耳にチューブを入れられた話なんかが載っている。こりゃあ俺もチューブか?でも、そこまではないだろうと考えながら病院へ。先生に症状を説明すると、先生は言う。

「もう一度鼓膜を切開して、チューブを入れてみましょうか」

 キターっ!さすがにちょっと考えた。このまま薬を飲み続けて様子を見る選択肢はないのか。しかし、先生はこのままだと中耳に溜まった水が飴状になって、もっとやっかいなことになるかもしれないと言う。仕方ない、チューブ入れてもらおう。そして麻酔をし、今回はあの恐ろしい千枚通しのようなメスと称する器具を見ないようにし、チューブの取り付けは完了した。先生は言う。

「よく聞こえるようになったでしょう」

 いや、なんか非常にこもった音が聞こえるのだが。外へ出てみて分かった。全部の音を拾っているのだ。確かに聞こえはいい。しかし、雑音だらけで、うるさくてかなわない、というのが正直なところだ。とりあえず、1週間後に次の診察ということで、現在は鼓膜に米粒より少し大きいくらいのチューブがはめ込まれているのだった。うまくいったら、後日談を書きます。

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