公正取引委員会に問いたい(平成15年4月27日)

 「ヨネックス立ち入り〜他社製品排除 働き掛けの疑い 公取委」(直リンク御免)

 今月初旬に新聞に載った、大手スポーツ用品メーカー、ヨネックスがバドミントンのシャトルの販売をめぐって独禁法違反容疑で立ち入り検査を受けたという記事である。この記事の中で、ヨネックスは自社の圧倒的に優位な立場を利用し、全国の小売店に対して、他社の関連用品を扱わないよう不当に働き掛け、従わない小売店にはペナルティーを設けていた疑いが持たれているという。どこかで聞いたような話だ。

 新聞販売店は個々の新聞発行本社と取引契約を結んで新聞販売を生業としている。ほとんどの新聞社は、販売店が新たに他の新聞を取り扱う場合には現取引先である発行本社の同意を得なければならないと規定していると思われるが、いったん取引を開始したならば、他の新聞社との取引内容についていちいち同意を得なければならないようには規定されていないはずであるし、そんな契約はそれこそ独禁法違反だと思う。現実には契約書に明記してあるわけでもないし、FAXを含む文書での産経との取引妨害の明確な証拠があるわけでもない。しかし、現に指令は飛んでいるし、産経の部数内容は各社の担当に厳密にチェックされ、予備紙の部数まで細かく指示されている。今回の場合は産経90万部ということで、産経のみがターゲットになり、他の取扱紙が大量に余っていても目をつぶっているようである。産経の90万部達成が面白くないのはよく分かるが、自店で取扱紙の予備紙を何部にするかはそのお店の自由裁量であるはずだし、かつてのような若干多めの予備紙というわけではなく、わずか数部の世界だ。かつて公正競争規約上2%だった予備紙だが、2%未満の数字を平然と指示している。自系統紙でない取扱紙のわずかな取引部数にまで干渉するのは、冒頭のヨネックスのような事例と違わないだろうか。例えばキリンビールの営業マンが街の酒屋さんや量販店に行って、アサヒビールの取引内容を調査し、仕入れ数が多すぎるといちゃもんをつけた時、公取委は黙って見ているのだろうか。キリンビールの仕入れを増やしてくれということは出来ても、アサヒビールを仕入れるなとは言えないはずである。それと同じ事ではないのだろうか。まあ、しかし、担当員は言うだろう、無理強いしている訳ではありませんし、逆らったからといって改廃するわけではありませんよ。或いは、上の命令で仕方ないんです。

 産経包囲網はまだ続いている。一昨年暮れからの凄まじい産経バッシングのようなことはないが、相変わらず産経返上の声は聞こえてくる。産経の申し込みをしたお客さんに自店の主取扱紙を勧めるとか折込が入りませんよとか言っているという声も聞こえる。即入の連絡をして、今日の新聞を持ってあいさつに行ってくださいとお願いすると、予備紙がないから持っていけないとか、様々な嫌がらせが現在も続いている。それでも、販売店自ら扱いたくないというならまず仕方がない。しかし、ある社の担当員などは我が社の当該地区の担当に増減の行き違いを指摘して、「こんなことでは産経を返上しなければなりませんね」などと平気で言ってくる例もあるという。さて、公取委でももうこのページの存在などすっかり忘れてしまっているだろうが、発行本社が販売店に対して別の取引先との取引解除を働き掛けるのは不公正な取引に当たらないのだろうか。是非とも聞いてみたいものだ。

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