朝鮮民主主義人民共和国(笑)からの産経新聞に対する過分なるお褒めのお言葉(平成14年10月27日)

 最近全然更新していないので、だんだん見に来てくれる人も少なくなって来た。まあそれは仕方がない。私の今の心境はと言えば、物言えば唇寒しというのが正直なところだ。新聞販売業界の種々の問題点について、書きたいことは山ほどある。厚木事件に端を発する日経問題とか、相も変わらず増大の一途を辿る無読者層の問題とか、社と店と団と読者を巡るビジネスの相関関係(誰が一番得しているか)とか、夕刊廃止半年を経た産経のその後のことなど、それはそれは書きたいのはやまやまだが物言えば唇寒しの心境では書く気も起きない。それよりも今は拉致を巡る北朝鮮問題の方が私にとっては重要だ。そんなわけで、最近改めて救う会全国協議会ニュースバックナンバーを読み返していたら、 平成12年2月24日付全国協議会ニュースに、同年2月11日付北朝鮮の新聞「民主朝鮮」(最高人民委員会常任委員会及び内閣機関紙)に下記のような、「『産経』はホラを吹くな」と題した産経新聞へのお褒めの言葉の全訳が載っていたのでついつい無断転載してしまった。全国協議会及び民主朝鮮(笑)の人ごめんなさい。(文中傍線、太字、色つけは全て旅人)

平成12年2月24日付北朝鮮に拉致された日本人を救出する全国協議会ニュースより引用

 最近日本の一部マスメデイアが反共和国謀略宣伝に熱を上げている。その先頭に「産経新聞」が立っている。

 去る 1月30日付「産経新聞」はインタビュー形式で「2000年日本外交の決定的局面、同一性の確立」という題目を掲げ「当面した最大脅威」だと言える北朝鮮といかに立ち向かうかということは日本の同一性確立の試金石だといえよう」とか何とか言いながら「拉致」などという問題をもってわれわれに再び難癖をつけた。言ってみれば日本の全ての政党と政府機関、社会団体、個別的人士すべてが我々に対するにあたり「拉致」問題を前面に押し立てて一様に出て行かねばならないということだ。

 訓辞を垂れるかのようなまねまでして反共和国謀略宣伝に熱を上げる「産経新聞」の言辞を見れば公正な言論機関ではなく、反共宣伝機関、情報謀略機関であるかのように感じられる。事実上「産経新聞」は言論社としての何の政治的一家言も客観性もない政治的売文家たちの集団である。体制の流れも見分けられず白黒を逆転していつも日本反動の意志と脚本に従ってラッパを吹きまくるのが「産経新聞」のお家芸だ。まさにそのために「産経新聞」はかつて人の意志によって偽の世論を展開して国内外的に恥さらしになったことが一度二度ではない。今回も例外ではないのである。

 「産経新聞」が騒ぎ立てるいわゆる「拉致疑惑」問題とは南朝鮮傀儡が投げかけた創作品だ

 今日本当局者たちは朝日関係改善問題と関連した我々の原則的立場の前に窮地に陥っている。過去日帝が朝鮮人民の前に繰り広げた罪悪を清算した基礎の上で朝日関係を改善しようというわれわれの正々堂々たる立場は世界の肯定的反応を呼び起こしている。反面いかにしても過去の罪業を隠そうとする日本当局の態度はその不当性からして世界的糾弾の対象になっている。日毎に不利になっている彼らの立場を逆転しようと日本反動たちがやっと考案したのが植民地下手人である南朝鮮傀儡が編み出した脚本である「拉致疑惑」問題だ。

 もちろん我々による日本人「拉致疑惑」というのが事実の信憑性を論じる一考の価値もない根拠のないものだということは再度語る余地もないことだ。

 日本反動はありもしない事実をついに既成事実化して世論化し、日毎に高まっているわが共和国の対外的地位を低めようとそれを一種の政治的取引材料として朝日関係改善にブレーキをかけようとしている。日本反動のこのような邪な心を庇護し代弁するのにまさに「産経新聞」が先頭に立っているのである。

 今回「産経新聞」は日本反動の不当な立場を再び代弁することによって正義と公正性、客観性を声明とする出版報道物としての体面を完全に喪失した御用売文集団だということを再び自ら見せたのである。

 「産経新聞」は自らの視点なく人の風に流された代価として幾ばくか受け取ったのかもしれないがそれが決して自らのためによいことになりえないということを心に刻まなければならない。

 日本に「産経新聞」のような言論機関としての使命にふさわしくない政治的偏見を持って右往左往する報道手段が数多くあることは当局者たちに責任がある。日本当局者たちは「言論の自由」という美名の下に出版報道物の卑劣な反共和国謀略宣伝を黙認増長している。いつもマスメディアを利用して不当な政治的目的を狙う世論を増長し自分たちは素知らぬ顔をするのが日本当局者の手法である。

 しかし今日のような明るい世の中「産経新聞」の虚言に耳を傾ける人間はいない。「産経新聞」は虚言のラッパを吹く代価を必ず負わされることになるだろう。日本当局者は烏合の衆が売文家たちを動員して何らかの政治的目的を達成しようと言う稚拙なまねにしがみつくのではなく一日も早く醜い過去を清算するための道に入らなければならない。過去に対する誠実な謝罪と保障がなくして朝日関係改善など絶対にありえないのである。

 反共和国謀略策動が日本に損害しかもたらすものがないということは時間が証明してくれるだろう。(南チョヌン)

 お褒めの言葉ありがとうございます。というか本当に笑わせてくれる。赤字の数の多さで分かるように、北朝鮮がいかに産経新聞の論調を嫌がっているかが手に取るように分かる。傍線部分は拉致について北朝鮮がいかに言い逃れしようとしていたかの証明であり、裏を返せば、産経だけが常に拉致問題を真剣に報道し続けて来たことの証左である。彼らは今頃こう思っているだろう。「産経新聞」さえなければ、拉致問題などないことに出来て、とっくの昔に馬鹿な日本の政治家や外務省を操って国交正常化し、金や米をむしり取れたのにと。

 対北朝鮮や対中国、かつては対ソ連問題などで産経は相手側にずっと嫌われ続けて来た。それこそが産経の存在意義であり、共産主義という幻想と戦い続けて来たことによって、強固な固定読者を獲得してきたと言える。産経がこの立場を放棄したとき、あるいは産経以上に産経らしい主義主張を他の新聞がするようになれば、産経新聞はなくなってしまうだろう。一方で産経のこの主張が北朝鮮の主張通り反動とされ、日本国内でも誤解されて部数が過去も現在もあまり変わらないというのも事実だ。生活改革もいいが、拉致事件も台湾独立も大事だ。産経は今後も日本で北朝鮮や中共に歯に衣着せない新聞で有り続けなければならないと思う。

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