チキンレースに負けたのは(平成14年5月31日)

 全然更新していないのに、毎日80アクセスもありがとうございます。ホームページっていうものは更新間隔が空いてしまうとだんだん面倒くさくなって、休止してしまいたくなるもののようですが、そんな気持ちに冷水を浴びせるような社告が5月31日、産経新聞に載りました。

 「6月3日の休刊日は通常発行します」と見出しを打たれたその社告は、ワールドカップのため、休刊日通常発行を告げている。そもそも、普通なら第2週の月曜あたりが休刊日になるものを、ワールドカップのためにわざわざ第1月曜日に持ってきたはずなのだが、今年に入ってからの一連の休刊日騒動の余波で各社が6月休刊日通常発行を早々と打ち出して来たのに対して、ついに我慢しきれなくなったのだろうか。せっかくここまでやってきたのだから、あくまで休刊日即売にこだわって欲しかった。

 しかし、問題はその休刊日即売だ。同じ社告は「7月以降の休刊日特別版は休止します」という見出しもついている。内容を見ると、"首都圏での休刊日特別版(即売のみ)は、七月以降は休止します。特別版が宅配読者に届かないことなどを考慮して、今後は休刊日の減小を検討しつつ、通常紙面のより一層の充実に全力を集中します。"とある。あの、1月以来の休刊日即売の社告でなんと言って来たのか。Sankei Web-Sの過去記事検索で見ると、"未来を見据え、タブーに挑戦し続ける産経新聞の休刊日即売朝刊と、新朝刊にご期待ください。"だとか、わざわざ記者会見までして" 「休刊日の朝刊がないのは寂しい、物足りないという読者や識者からの声があった。すでに(休刊日発行を)実施しているスポーツ紙の売れ行きは各紙とも通常の三割増しで、朝刊を望んでいる人が多いということが、この数字にも表れている」"と清原社長が発言した記事まで載せているではないか。何だ一体。"ふだん産経新聞を読んでいない人にも手にとっていただき、産経の素顔を知ってもらおうとの願い"からあれだけ鳴り物入りで大々的に発表して、スタートしたんじゃなかったのか。特別版が宅配読者に届かない?当たり前だろう。最初から言っているじゃないか。これじゃあ、休刊日問題で業界を混乱に陥れたとして追求された責任を認め、ごめんなさいしたのと同じだ。おまけに休刊日の減少を検討しつつなんて、まるで朝読のお先棒を担ぐような言葉まで入れて。来年休刊日が年9回になったりしたら、口火を切ったのは産経だと言われても仕方がない。

 一体何でこんなことになってしまったのか。真相は我々ぺーぺーには分からない。大体どの程度の収支だったのかも知らないし、大損はしていないと思っていたから、何万人という産経を知らない読者に読んでもらえるだけでも、もの凄いメリットだったはずだ。はっきり言って、休刊日即売を止めるメリットが何なのか分からない。社員を総動員してまでティッシュ配りをしたり、スポーツ共輸からの理由なき排除(独禁法違反のおそれあり)など各社の強烈な妨害を跳ね返して、首都圏のコンビニなどに必死で配置した現局長や即売担当の努力はどうなるんだ。あれほどまで猛烈に配置のお願いをしたのに、今度はお詫びの行脚をしなければいけない。鳴り物入りでやっておいて、すぐ止めたとあっては、もう一度やりたいと言っても、今度はなかなかやってくれないだろう。この手打ちの陰で、産経の即売配置が妨害なくスムーズに進むのなら、それは結構なメリットだが、もし、新聞協会の理事会で社長がいじめられないという程度のメリットなら、泣くに泣けない。本当に、一体何が起こったのか首を傾げる。

 まさか、上層部のだれかが個人的なスキャンダルを握られて、それをネタに脅かされたとか、6月3日の休刊日通常発行の新聞を配らないとか脅かされたというのが理由なら、チキンレースに負けたということだ。経費的に合わないなら、そうはっきり読者に宣言し、謝罪すべきだ。休刊日を3回減らせば、それだけ金がかかるのだから、それに比べれば、休刊日即売を続ける方が遙かに経費的に合うと考えるのは私が会社の経営を何も分からないひよっこだからだろうか。いずれにせよ、初期の目的を達成するまで、せめて1年くらい続けて欲しかった。ああ悔しい。

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