読売新聞の恐れる産経一人勝ちとは?(平成14年3月13日)

 ある地方の所長さん曰く、「だいたい、ドジョウ一匹池に飛び込んだくらいで洪水になるような騒ぎをするな」とかうちの局長曰く、「紙鉄砲鳴らしたら、ミサイル打ち返してきた」とか言われる一連の休刊日騒動だが、3月は産経以外みんな通常発行で、駅前で見本紙配らない分だけ外向けには静かな休刊日発行になった。文句一つ言わず販売店が協力してくれたのが、余程ありがたかったのか、隣の社では常務取締役販売局長名で感謝のFAXを流したようだ。その中に次のような文章がある。

 "現下の販売情勢は、休刊日問題を巡り大きく揺れ動いています。その主要因は産経新聞が夕刊発行を廃止するにあたり、不当廉売問題、夕刊否定のテレビCM問題、更に休刊日に即売版の発行と、3つの「禁じ手」を使ったことに端を発しています。"

 禁じ手?リンク先にあるように、一般に禁じ手とは将棋の禁じ手をもじっていうものだが、産経が読売に打歩詰め(歩を打って王を詰めること。歩が産経で王が読売か)でもかけてるって言いたいのだろうか。不当廉売問題は全社挙げてやった訳じゃないし、新年の販売店大会でうちの社長が厳に戒めている。夕刊否定のテレビCM?因縁以外の何者でもない。商品特性をアピールして何が悪いのか。ところで誰が禁じたんだ?休刊日に即売発行については次のように続けている。

"特に、休刊日には全ての新聞発行を中止して休刊としてきた経緯からして、即売版といえども新聞を発行することは、休刊日を実質的になくしたことになり、産経新聞が狙う一人勝ちを絶対に許すわけにはいきません。"

 全ての新聞発行を中止してって、スポーツ紙は昔から休刊日即売やってるじゃん。やっぱりスポーツ紙は新聞じゃないって思ってたんだ。まあ、報知新聞が増えると、報知なんか増やす暇あったら読売増やせって言う会社だからしょうがないか。きっと地方紙も新聞じゃないって思ってるんだろうな。いや、読売にあらずんば新聞にあらずって思っているんだろう。それにしても、産経新聞が狙う一人勝ちって、普通の人が考えれば、1030万部や830万部に対して、今回の夕刊廃止で例えば産経が800万部くらいになって、増えた600万部のうち、400万部くらい読売食って、200万部朝日食って、800対600対600くらいになって初めて一人勝ちっていうんじゃないのか?産経が目指しているのは東京100万部、20万部増である。全部読売を食ったって読売は1000万部を割らない。今までさんざん一人勝ちしといて絶対に許すわけにはいきませんとは全く恐れ入る。

 さらにこう続く。

 "産経新聞の目論見は、即売版で低価格紙を印象付け、勢いをつけようとするもので、万一、それを放置すればT紙やM紙も値安販売に追随する恐れがあります。"

 「目論見」ですって清原社長。せめて「戦略」くらいに言って欲しいものですよね。社長が個人的に尊敬しているというナベツネさんが見込んで東京に連れ戻した人の言葉です。T紙やM紙って引き合いに出されてますが、不当廉売やりますか?T紙さんM紙さん。

 "今回の産経問題は、再販制度のもとで定価販売を堅持する本紙にも大きな影響を及ぼすことが懸念され、進路を一つ誤れば、泥沼の乱売合戦に突入する兆しすらあります。"

 そうか、産経問題なのか。九州で自転車や冷蔵庫を配りまくった時はきっと西日本問題、あるいは熊日問題だったんだろうな。泥沼の乱売合戦って今までずっとそうだったと思うし、それをリードしてきたのは一体誰だったんだろう。まあ、定価販売を堅持するということは、朝刊単売も3007円の統合版定価に公式に決めるのだろう。3月25日頃に社告が出るかな?進路を誤らないでなおかつ定価販売を堅持するにはそれしかないはず。きっと公取委も苦虫を噛みつぶしているに違いない。何せ朝刊単売価格が何十種類もあることが、既に再販を崩しているというのが彼らの再販はずしの大きな口実だから、その口実の一つがなくなってしまうなんて、さぞかしやりにくいだろう。

 そんな、産経一人勝ちとか、大阪の地方紙にしてやるとか、今まで生かしておいてやったなんて言わないで、産経にもあと20万部くらい下さいよ。

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