産経夕刊廃止が三紙に与える影響(平成14年2月2日)

 2ちゃんねるに、善意だか陰謀だか取り上げられてしまったこのコラムだが、そんなこととは関係なく書き続けようと思う。2ちゃんねるから見に来た人に申し上げますが、私はまったくもって、ロムしかしておらず、従って自作自演ではありません。あしからず。

 四街道で産経を購読してくれていることり氏のところにも、ついに、集金の人から、4月以降配達できないかもしれませんと言ってきたそうだ。四街道の毎日新聞の店はそこそこの部数の産経を扱っており、取引中止すれば、店の経営的に少なからず影響があるはずだが、それでも言ってくるということは、本社からの相当強力な行政指導があるのだろう。まあ、それは致し方ない。しかし、なぜそこまで躍起になって産経を潰そうとするのか。産経が夕刊廃止、朝刊単独紙2950円になることによる影響が各社を存亡の危機に立たせることになるからだ。

 産経が2950円で朝刊を売ると言っても、かつて読売が中部読売でやったようなダンピングではなく、統合版価格に合わせた定価設定にするのだから、それ自体に文句は言えない。現在の産経も含めたセット地区の朝刊単売価格が、大幅に統合版価格を上回るものだったとしても、その客が全部産経に食われる訳ではないし、例によって拡材で押さえ込みにかかるだろうし、いざとなれば、販売店が現在得ている超過集金による利益を無視して、3007円の統合版価格に揃えてくるだろうから、おそらくそれほど心配はしていないだろう。一番問題なのは、3007円に朝刊単売価格を下げた時に始まるであろう、雪崩のような夕刊離れである。

 今まで、朝夕刊セットが一つの商品であり、朝刊だけ(あるいは夕刊だけ)とる場合には、それぞれの販売店がセット価格からの値引きということで、価格を決めていた。この値引額が少ないことにより、読者に対して夕刊も取った方がお得ですよとセット購読を勧めていた。ところが、3007円に下げてしまえば、その瞬間から、それなら夕刊いらないという読者が大量に出ることが容易に予想できる。東京本社管内で2百数十万部という夕刊を発行する朝読にしてみれば、この夕刊が一気に半分になるとか、100万部落ちるという事態も想定できる。そうならないという事態も想定できるのだが、もし、100万部落ちれば、単純に年間60億以上の売上が減ることになる。いくら朝読がこの不況にもかかわらず儲かっていても、社員の給料が平均で年収1000万以上などという状態は維持できない。給料を産経並みに引き下げれば儲かるだろうが、そう簡単に出来ることではない。銀行が行員の給料を下げたと言う話を聞かないのと同じだ。従って、そう簡単には朝刊単売定価を3007円には設定できないだろう。そうなると、方法は一つ。朝刊単売2950円という産経新聞を会社ごと潰してしまうことである。そのために今、首都圏では猛烈な産経イジメをやっているのだと私は思う。

 これは、企業の存亡を賭けた死ぬか生きるかの戦いだ。産経新聞の日本をよくするという灯を消さないためにも、私も、産経の全社員も死にものぐるいで巨大な朝読と戦うだろう。そして、我々は絶対に負けない。産経を支持してくれる強固な読者がいる限り。 旅人新聞裏話のトップへ

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