今さら人に聞けない(平成16年8月23日)

 今さら人に聞けないというキャッチが密かに流行っているらしい。フジサンケイビジネスアイのPR版に日銀って何?というフレーズが載っていて唖然としたが、いくら日経が書かないと言っても小学生じゃあるまいし、そんなことも分からないようじゃ、新聞読む以前に字も満足に読み書き出来ないだろう。うん?そうか、だいたいうちのガチャピンあたりがその程度なんだから仕方ないのか。前回書いた、最近コンビニの棚をにぎわせているマガジンブックの中にも今さら人に聞けない常識辞典のようなものが結構目立つ。うちのガチャピンさんもあまりにも常識が無いのでその手のマガジンブックを1冊プレゼントしてやったのだが、やってから1ヶ月以上経ってODAって何だって聞いても判らないくらいだから、きっと読んでないのだろう。

 そう考えると本当に日本の未来は暗いものに思えてくる。どう考えても文部省の推進したゆとり教育の弊害としか思えない。昔は中学校で習っただろうと言えば、何か聞いたような気がするけど忘れちゃったよなんて答えたものだが、今じゃそもそも授業に出て来ない事が多いんだからしょうがない。ゆとり教育という教育の内容がどういうものかよく分からないが、最近の若いのは知識もないが考えるということも不慣れのようだ。自分で考える習慣がないから、ちょっとしたことでも考えもせずに人に聞く。人に聞けばまだいいが、聞きもせずにとんちんかんなことをやって先輩を困らせてくれる。幸いうちの新人は聞く方だが、聞く内容がとんちんかんで困ったもんだ。

 これが、うちの新人だけがたまたま馬鹿なだけだったらいいのだが、先日、恒例の花火大会の時に久々に会った、IT系の会社に勤めている同級生が言っていた。「最近の考えの浅い20代には絶望してるよ」と。ITソリューションの会社の若手が考え浅かったら、うちのような文系会社どうすりゃいいんだろうと思うのだが、ことほど左様にきっとそこいら中で同じように嘆いている人がいるに違いない。先程、女子マラソンを見ていて、解説の有森裕子が、50m後ろから迫る選手の気配は分かるのかと聞かれ、自分が通り過ぎた後も沿道の歓声が続いているとどのくらい後ろに敵がいるのか想像が着くと言っていた。オリンピック代表選手はその道のプロだから、経験則から判るだろうが、普通の考えの浅い20代だったら、自分への歓声がずっと続いているくらいに考えてしまうのではないか。何事も起こる事象には因果関係があるということが分かっていない。朝のインタビューを聞いている限りでは、金メダルを取った野口みずきも考えの浅い20代かもしれない。

 考えが浅い、考えが浅いと言っているが、考えるためにはその土台になる経験、知識が必要である。その経験、知識がゆとり教育のおかげで例えば我々の世代に比べると3割くらい少ないのではないか。社会に出てから、これをどうにかするのは並大抵ではない。既に頭は固くなり始めているわけだから、なんとか頭をほぐすところから始めなきゃいけないが、とりあえず、絵クロスでもやらせて因果関係を探る勉強でもさせますか。

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