この年末年始もそこいら中の家々でクリスマス・イルミネーションが輝いた。それは数年前から町田市の緑山を中心に流行り始めたらしい。家庭の門、塀、壁その他にクリスマスツリーにつけるような電球をつなげたものをつけて、夜、家を飾り立てるものだ。商店やレストランなどがやるなら分かるが個人家庭がやるのは一体全体どうしたことか。そもそも電飾とは商業用は言うまでもなく、果ては神戸ルミナリエや東京ミレナリオ、あるいは仙台の光のページェントの様に大々的なものに至るまで、人に見せることでその意味を見出すものである。個人宅の電飾は基本的にはその全貌は家の中から見えない。つまり、通行人や隣近所に見せる事を目的として飾り立てているのだ。緑山では並びの家が片っ端から電飾をやっていて、車で観光に来る人が絶えず、一昨年あたりから自粛し始めたらしいが、100円ショップでも電飾が買えるようになって、もはや流行ではなく一般的と言えるような状態になってしまっている。我がマンション群でも結構な数の部屋でベランダに電飾していたし、この田んぼの上に出来た新興住宅地では緑山に負けず劣らずの強烈な電飾合戦を繰り広げていた。実は私も結構電飾を見るのは好きなのだが、悲しいかな11時を廻るとほとんどの家が消してしまう。消すぐらいなら点けるるなよと言いたい。
かくしてそこいら中が電飾だらけの平成15年の年末となった訳だが、これはやはりその大本のミレナリオなどの影響が強いのではないか。年末の夜、川崎から帰ってきて日比谷通りを会社に向かって走ると、東京駅方向への右折は禁止だし、見ればえらい行列が丸の内仲通りの横断歩道を渡っている姿が見える。渋滞はするし、我々近隣で働くものには迷惑な存在なのだが、おそらく期間中何百万人という人達があの電飾を見に集まるのだろう。うちの会社も協賛に名を連ねているので、あまり批判すると怒られるが、元旦のカウントダウンはともかく、全くあんなもの見るために集まる人達も集まる人達だが、金を出す方も出す方だ。協賛のポスターに名前を連ねるだけでなーんもメリットがないような気がする。2年くらい前までは国際フォーラムにブースを出していたようだが、本体ミレナリオから遠く遠く離れたサンケイビルで共催イベントやって公式グッズのテント出してもあまり意味がないような気がする。大晦日のカウントダウンでパッと点灯する電飾自体は確かに綺麗だが、家庭の電飾といい、イベント電飾といい、こんなことやってる国が不況のまっただ中とは外国から来た人は誰も信じないだろう。