火星大接近(平成15年8月3日)
 長い長い梅雨が明け、ようやく夜空に星が戻って来た。といっても、ここ千葉市では外へ出て真上を仰いでも、ようやく夏の大三角形(デネブ、ベガ、アルタイル)が分かる程度でよほど目をこらさないと、カシオペアすら満足に見えない。これが長野や仙台だったら、三角形を判別するのもかったるいほど星が見えるのに。しかし、そんな千葉の明るい空でも南に目を転じると一つだけ赤く輝く星が目に飛び込んでくる。そう、今話題の火星だ。新聞も満足に読まない人だと火星大接近といってもピンと来ないのだろうが、8月27日に火星が約2年2ケ月ぶりの最接近をし、さらに今回の最接近は15年に一度の大接近であり、なおかつ6万年ぶりの超大接近となる一大天文ショーなのだ。流星群や彗星や日食・月食のような派手さはないが、普段は2等星くらいの火星がマイナス2.9等星という金星よりも明るい星になるのだから大事件である。

 いきなりマイナス2.9になる訳ではないので既に今でもかなり明るいのだが、残念ながら、おとといまではほとんど雲が切れなかったため、見ることが出来なかった。そして今晩ついに火星とご対面となった訳だが、いつも夜空で一生懸命探す火星と違い、これなら視力ゼロコンマいくつの人でも容易に判断出来るだろう。間違いなく木星より明るく、最大離角の金星には及ばないまでも、シリウスよりはるかに明るい。(夏にシリウスが見られるかというなかれ。既に暁になっているとは言え、朝5時にはシリウスは昇って来る)

 別に強烈な天文ファンではないのだが、しし座流星群の大出現も見られ、6万年ぶりの火星の大接近も見られ、結構幸せな天文人生ではあったと思える今日この頃である。これを見ないと死ねないというものが多い中、天文的にはもう十分かな、後はジャコビニ流星群だけだなと思う。ハレー彗星は見損なってもう無理だし。そうそう大事なことを忘れていた。私はまだ水星を肉眼で見たことがない。水星見なくちゃだな。

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