今やなくてはならないもの(平成14年7月29日)

 昔はなかったのに、今はなくてはならないものというのが、たくさんある。まず第一に携帯電話だ。携帯のなかった時にはいったいどうしていたんだろうと思うが、例えば女の子とスケートに行く約束をして、水道橋の駅で待ち合わせし、時間になっても来ないどころか、2時間も待たされるなんてことがあって、自宅に電話しても電話に出ない、どこでどうなっているか分からないから、とりあえず待っているしかない。今だったら、携帯に電話すれば状況が分かるし、もし何回電話しても留守電になっていれば、こりゃあもうだめだってことで、留守電にひとこと「死ね」とか吹き込んで帰ってしまえばいい。携帯もポケベルもないときは、1日2回会社に電話しなければいけなかったが、今では用がなくてもガンガン電話がかかってくる。そうそう、私はポケベルが嫌いだった。あんなに失礼な道具はない。用がある人が、用がない人に電話よこせと強要する機械だからである。

 クーラーもないと生きていけない。昔はクーラーなしでも十分生活出来たのに、何でクーラーなしでは生きていけなくなってしまったのだろう。身体がそういう風に改造されてしまったのだろうか。やはり、ヒートアイランド現象のせいなのだろうか。駅で、電車に乗るとホッとする。その一方で、地球温暖化はいたちごっこの様に進んでいく。一度、このクーラーシステムが徹底的に破壊されない限り、地球全体をクーラーで冷やさなければならないところまで行ってしまうのではないか。そういう意味では、長野などクーラーなしでも暮らせるのだから、なんとかそのまま歯止めをかけて欲しいものだ。

 そして新幹線。っておいおい何か違うんじゃないか?しかし、新幹線なくして、今の出張事情は語れない。東海道新幹線はともかく、東北新幹線や長野新幹線は、なかったらと思うとぞっとする。そういう意味では、東北道も上信越道も中央道もなくてはならないが、それは別にどうとも思わない。

 しかし、何と言っても今の私にとってなくてはならないのは、エスカレーターだ。そんなもん戦前からあるよと言うなかれ。数年前までの私はエスカレーターと階段が併設されていれば、必ず階段を上ったものだが、今や、駅でもエスカレーターがあるところまで回り込む始末である。階段を上って身体を鍛えようなんて気持ちはさらさらない。階段昇って青息吐息の毎日だ。ああ、ドラえもんのポケットから携帯エスカレーター出してくれないかな。

旅人お気楽極楽のトップへ

旅人のほーむぺーじ トップへ