ニッポン・チャチャチャ(平成14年6月13日)

 フランス、アルゼンチンが予選リーグで敗退し、今日もあわやのところでイタリアまでもが、決勝トーナメントから姿を消すところだったが、赤黒チェックのクロアチアが敗れて事なきを得たようだ。そのイタリアが今日戦ったメキシコ戦を見ていて、メキシコが攻勢のときの観衆の声援が私にはこう聞こえた。

「メヒコ・チャチャチャ」

昨夜、ちょっと駅の様子を覗きに行った時、スウェーデン・サポーター達が仙台駅構内で「スウェーデン・チャチャチャ」をやっていた。競技場に来ている客の少なくとも半分は日本人だ。仙台駅で見ていると黄色のスウェーデン、水色のアルゼンチン、それぞれのシャツを着た日本人のなんと多いことか。韓国と違って日本人サポーターは平気で外国チームに感情移入出来る。その最たるものが中津江村のカメルーン応援団だろう。きっと、その連中が試合中に「○○チャチャチャ」をやっているのを外国から来たサポーター連中が一緒にやっているうちに覚えてしまったのだろう。9日の夜の仙台駅はメキシコサポーターに占領されていたが、ところ構わず日本人客が彼らと記念写真を撮っている姿がほほえましかった。その時は、日本対ロシア戦があるので、脇を通り過ぎただけだったが、あのソンブレロ軍団が今日大分で声援を送っていたと思うとなんだかうれしい。

 話は違うが、あるFIFAオフィシャルホテルの人と話していて、FIFAのスポンサーシップの恐ろしさをまざまざと聞かされた。オフィシャルホテルには、FIFAの役員や対戦チームのVIP、例えば大使などが宿泊する。試合の日にはPRESTIGE RECEPTIONなどがあるが、試合会場へのケータリングなども担当するらしい。そのパーティでは、飲み物はオフィシャルパートナーであるバドワイザーのビールやコカコーラの清涼飲料水が大量に持ち込まれるので、ビールやジュースはホテルの売り上げにはならない、料理やワインだけなのだという。また、例えば紅茶を出したとして、それがリプトンの紅茶だとすると、リプトンというブランドが分からないようにタグを切っておかなければならないという。スポンサーシップの強烈な制約にもの凄く気を遣わなければならないらしい。一方、客室も○月×日△人と指定があれば、その部屋数を必ず提供しなければならないので、常に一定の空室を確保して置かねばならず、かといって買い上げというわけではないから、埋まらなかった分はホテルの持ち出しである。それでいて、コミッションは取られているのだから、ボランティアより大変かもしれない。あるのは名誉だけである。

 スポンサーといえば、空席問題も必ずしもFIFAやバイロムだけのせいではなく、オフィシャル・パートナーやオフィシャル・サプライヤーがチケットを持て余して、直前まで抱えていた例をいくつか聞いた。韓国のように、もともと自国戦以外はチケットが売れないというのは論外だが、チケットが売れていないというほかに、スポンサー席が埋まってない例もあるかもしれない。いろいろとお騒がせなW杯ではある。

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