やっぱり書かずにいられない(平成14年6月9日)

 私はサッカーについてはラグビーほど詳しくないし、昔からサッカーを見てきた人達に失礼なので、ワールドカップについて書くのは止めようと思っていたが、この歴史的勝利を前にしたら書かずにいられない。いくらホーム・アドバンテージがあるとはいえ、やはり2試合終わって1勝1分はうれしい。飛び上がりたいくらいうれしかった。

 ロシア戦については、事前の論調も抑制が利いていて苦戦が予想されたが、ベルギー戦よりも安心して見ていられる展開だった。そして、ワールドカップ初勝利。ロシアのインディペンデント紙はロシアが勝ったら北海道を捕る、日本1−0で国後を返すというジョークを載せていたらしいが、さあ国後を返してもらおうじゃないか。

 6月3日の晩、たまたま六本木に飲みに行った帰りに終電間近の地下鉄で外人のおねえちゃんとお話した。日比谷線の最終に間に合わず、大江戸線のホームに来たものの、自分の宿にどうやって帰ればいいか私に尋ねてきた。そこに居合わせた外人のおじさんは、イングランドサポーターで、勝どきのホテル浦島だと言うが、おねえちゃんは新御徒町まで行きたいという。本当は稲荷町に行きたいらしく、しかも宿の名前を覚えていないらしい。なんて無謀な旅をしているのか。既に電車は清澄白河までしかない。そこまで行ってタクシーを拾うしかないと説明し、ところでどこから来たのか聞くと、なんとベルギー人で今はロンドンに住んでいるという。げげっ、レッドデビルか。でも彼女は言っていた、日本が1位でベルギーが2位で決勝トーナメントに行くのがいいと。ところで明日は中田は出るのかと聞いてくるので、もちろんだが、小野のおなかが心配だと言うと、小野知らないという。なんじゃいそりゃあ、と思ったが、こっちはベルギーの選手の名前なんて全然知らないのだからまあしょうがない。イングランドのおじさんは、スウェーデン戦の引き分け残念でしたねというと、惜しかったがいい試合だったと言っていた。フーリガンのことばかり言っているとこういう交流も出来ないわなあ。

 フーリガンの騒ぎがあまりなくて、拍子抜けしているようだが、各国の徹底した出国防止措置が効いているということで、いいことだ。フリーで入れたらとんでもないことになるんだから、いずれにしろ警備は厳重じゃなきゃいけない。昔から、ラグビーの5ヶ国対抗(今は6ヶ国)のシーズンにラグビーマガジンを読んでいると、まるでドーバー海峡を挟んで侵略軍が遠征してるみたいな騒ぎのことが書いてあって、フーリガンの恐ろしさは20年くらい前から知っている。それを考えれば、今回とりあえずそんな騒ぎが起きてなくてよかったんじゃないか。

 さて、今日は宮城で最初の試合があり、仙台駅に着いた8時頃は駅の構内にメキシコサポーターがうじゃうじゃいて、メヒココールを繰り返し、騒然としていた。新幹線改札の前ではメキシコサポーターと日本人観客がそこら中で記念写真を撮っていた。それを見て、ああニッポンでワールドカップやってるんだ。いいなあ、よかったなあと思った。たとえにわかサポーターでも、日本中がサッカー一色になって燃える。実に素晴らしい。日本の成績はもちろん大事だが、観戦にやってくる世界各地のサポーターと交流出来、サッカーの人気がもっと盛り上がれば、ワールドカップアイ症候群があっても、Jリーグも盛り上がるだろう。次はラグビーワールドカップを日本に招致して欲しいものだ。そうしたら、俺は何が何でもチケット取って見に行くぞ。なんせにわかファンじゃないからな。

旅人お気楽極楽のトップへ

旅人のほーむぺーじ トップへ