ついに来た痛風大発作(平成13年11月24日)

 それは11月21日夕方のことだった。どうも右足に違和感があり、徐々に徐々に痛くなって来ているような感じがしていた。帰宅する頃には歩くのも億劫な状態になり、翌朝には完全に足を引きずる状態だった。それでもなんとか、県北地方の訪店を済ませ、23日は仕事が午後からだったため、22日から23日にかけて14時間近い睡眠をとり、食事もほぼ炭水化物とお茶だけという態勢で臨んだ。しかし、時既に遅く23日午後、仕事に出かけるときには、サンダルも履けず、泣きながら靴に足をねじ込むという状態になっていた。前回、昨年3月の発作の時には病院で消炎鎮痛剤と湿布をもらったので、今回もなんとかそれでやり過ごそうと思い、仕事に行く途中の薬局でルメンタールという薬を手に入れた。これが効を奏して24日夜現在、裸足ならば普通に歩けるという状態にまで回復した。今のうちになんとか尿酸値を下げなければと、お茶をがぶ飲みし、痛風危険食物を極端に避けている。
 近くに痛風患者のいる人や、本人が経験あれば同情されるのだが、痛風のなんたるかを知らない人は、口を開けば贅沢病だという。確かに糖尿も痛風も食糧難の時代には考えられない病気だが、今の日本は完全に飽食の時代、もはや、痛風も糖尿も日本人なら誰がなってもおかしくない時代である。銀座のホームレスが糖尿病になる時代だ。しかし、最大の原因が暴飲暴食と運動不足であることは言うまでもないことなので、やはり、痛風や糖尿病にかかるのは恥ずかしいことだ。
 それはさておき、痛風のなんたるかを知らない人に一通りの説明をしておこう。痛風とは体内の尿酸が一定以上の量になり、それが結晶化して、血管の細いところに詰ることから起きる病気である。風が吹いても痛いというのは、例えば足の親指の付け根などの血管に尿酸の結晶が詰まって、ちょっとでも動かせば、その針のような結晶が血管と神経に刺さって強烈な痛みを生ずるところから来ている。では、その尿酸は何から作られるかといえば、プリン体という物質である。そしてこのプリン体が多く含まれる代表的なものが、ビール、イカ、レバーなどの臓物、揚げ物、大豆、鰯や鯖などの青魚である。また、糖分や塩分あるいは炭酸の多い飲み物も避けなければならない。普通なら健康にいい、大豆や青魚がだめなのだから、もう食べるものは穀類と野菜くらいしかない。通常の人なら適度に運動して適度にバランスよく食事をしているからそうそう出るものではない。しかし、そこは担当員。酒はばかすか飲むは、焼肉だやれ寿司だと大食いする挙句に仕事は車でドア・ツー・ドアである。私の周りにも痛風患者や予備軍がうじゃうじゃいる。最近、セクハラならぬアルハラという言葉があるようだが、酒を飲めなきゃ仕事にならない時期もあったので、これはもう職業病に近いものがある。
 私がまだ駆け出しの頃、今は局次長になっている時の上司が痛風で、忙しくて病院に行けないため、薬が切れて、地獄の苦しみを味わっているのを目の当たりにしていた。まさか、自分がそうなるとは思わない体重70kg台の頃である。今、死ぬ思いで訪店している自分があの頃の局次長とオーバーラップする。何でこうなる前に節制出来なかったのかと。そう、今述べたように、一度薬のお世話になったら、2度と抜けられないのだ。強制的に尿酸値を下げるため、切れれば途端に跳ね上がるらしい。ほとんど人工透析の薬版だ。そうならないためにも、極力ビールは控え、揚げ物もなるべく食べず、といろいろ手を打って来たのだが、ここのところ、確かに飲み過ぎたということが数回あった。今度こそ薬の世話にならなければならないかもしれない。そして、薬の世話になって、局次長の様にビールを普通に飲んで、でもきっと羽目をはずし過ぎて次は糖尿を併発、というのが一番怖い(医者をやってる中学の同級生にそう予言された)ので、極力食事療法で何とか乗り切ろうと思う、今日この頃なのであった。(そうそう、1日2g以上水かお茶を飲むことも忘れずに)

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