健康補助食品って一体何だ(平成13年6月15日)

 最近、健康補助食品というのが流行っているらしい。先日も会社の後輩がコンパクトなケースに入った某社のビタミンだのカルシウムだのの錠剤やカプセルを飲んでいる(食べている?)のを見て唖然としたばかりだ。ケースの中のその丸い粒を見たとき、ふと、忍者の携行する非常食を思い出してしまった。

 そういうものに頼りたい気持ちは分からないでもない。確かに我々の食生活はあまりにも偏り過ぎている。特に酒タバコまみれの生活をしている我が同僚なら理解したいと思う。しかし、そもそもが自業自得から出発していることではないのか。バランスの取れた食事なんて、ちょっとの努力で出来る、本当に健康を心配するなら、酒もタバコも止めればいい。仕事そのものが健康に悪いなら辞めればいい。まあ、それを言っちゃあ酷なのだが、要は安易にそういう簡単なものに頼る傾向が問題だと思うのだ。そんなに簡単に健康になれるはずがないのである。

 最近の世の中は全てが簡単軽量へと突き進んでいるパソコンも携帯もまさしくその最先端だ。しかし、人間の身体にとって最も大事な「食」という部分まで簡略化していいものなのだろうか。小学校の時に給食で教わった「三角食べ」というのはやはり理にかなっていたのではないか。栄養のエキスだけを摂取するのではなく、いろんなものをバランス良く摂取することで血や肉が作られていくのではないのか。私は努力という言葉を吐くのは嫌いだが、努力することは好きである。そして何事にも努力が必要だと思う。健康も今や努力しなければ勝ち取れない時代だが、現在五体満足な人間が、薬や健康補助食品に頼るのは、安易な選択ではないかと私は思う。風邪をひいたら寝て、食って直す、カルシウムを取りたければ魚の骨を食べる、ビタミン摂りたきゃ野菜や果物を食えと私は言いたい。  

この文章を書いていて、僕の好きな「旅人」という歌の次の一節を思い出した。   情報過多で簡略化だぜ文明の利器は僕らをどうして何処へ運んでく(旅人 by Mr.Children)

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