ソリューションはイリュージョン(平成13年5月19日)

 最近流行の言葉にソリューションという言葉がある。特にIT関連の世界では頻繁に目につく言葉だ。ソリューション・ビジネスとか、ソリューション・プロバイダーとか、ソリューション事業部なんて部署がある会社も結構あるらしい。solutionというからには、直訳すれば問題解決法ということだろう。

 幕張メッセ辺りでソリューションEXPOなんてのがありそうだが、これだけ目について、ビジネスになっているというのだから、顧客も相当いるのだろう。考えてみると、これはつまりは経営コンサルタントのことではないのか。ただ、ITの仮面を被っているのでなんとなく格好よく聞こえるだけだ。昔、就職活動していた時期に経営コンサルタント会社の会社説明会を聞きに行って幻滅したことがある。「御社の業績向上のためにお手伝い致します」というのがキャッチフレーズで、そのためにまずすることは、片っ端から会社訪問して、名刺交換してくることだという。私が訪問される会社の担当者なら、「大きなお世話」だと思うのだが、商売になってるからには、そうやって何百件も回っていると、弱っている会社にぶちあたることもあるのだろう。しかし、コンサルタントといってもその業界の人間ではないのだから、言ってみれば素人である。それをお手伝いしましょうというのだから、この商売はインチキだと思ったものだった。得意分野があって、そのノウハウを伝授しましょうというのが、本当のコンサルタントだと思うのだが、そう言う意味ではマネジメントアナリシスなどは、方向性の定まったいい会社なのではないか。

 さて、ソリューションだが、昨今、コンピュータやインターネットを商売に利用しないのは時代遅れという強迫観念があり、猫も杓子もIT、ITであるのをいいことにあっという間に定着したビジネスなのではないか。単にソフトを供給するのであれば、それはアプリケーション・プロバイダーであって、ソリューションとは言えない。コンサルティングが加わるからソリューションなのだろう。しかし、自分の頭で考えられないものが定着するはずもなく、結局は高い金を払って宝の持ち腐れになっているところが多いのではないか。それでみんな成功するなら、とっくの昔に日本経済は5%成長くらいしているはずである。結局解決するのは自分自身であって、必要なツールをアプリケーション・プロバイダーから買って、自分なりに応用して自分自身の解決法を見つけだしたものが成功するような気がしてならない。他人が与えてくれる解決法など幻想に過ぎないというのが私の考えである。

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