滅びよプロ野球(平成16年7月11日)

 オリックス=近鉄合併騒動で幕を開けたプロ野球1リーグ化への加速度的動きは、プロ野球をスポーツでもビジネスでもないただの道化の世界へと落とし込みつつある。今や女子バレーが30%の視聴率を稼ぎ、サッカー日本代表の試合も常時高視聴率、Jリーグがもう少し頑張ればもはやサッカーだって十分ビジネスになる。そんな時代に未だに、イチ球団の人気に残りの全球団がおんぶにだっこしようというのだから狂っているとしか言いようがない。

 別に巨人ファン、阪神ファンといった観客をどうこう言うつもりはないが、球団側のファンもプロ野球(ひいては野球という球技)の将来も考えない姿勢には外野からというより球場の外から見ていて腹が立つ。巨人が他球団の4番打者を片っ端から引き抜く姿は、ちょうど野党からなりふり構わぬ社会党との連立で与党に戻った後、新進党から議員を引き抜いた自民党を彷彿とさせる。

 なぜそこまで巨人におんぶにだっこしなければならないのか。別に巨人ファンが51%を占めている訳ではない。テレビの視聴率が10%台前半になってしまったのを見れば、巨人人気なんて恐れるに足らないのではないか。何か不都合が起きるたびにリーグ脱退だの新リーグ結成だのとナベツネが脅しをかけ、それに他球団のオーナーがビビって弱腰になるという構図が続いて来たわけだが、他の11球団が結束して巨人を追い出せば、たとえ巨人がJRだの他の企業を誘って巨人の御用新球団を作ったところで商売になるはずがない。そんなに簡単に球団が作れるくらいならとっくに近鉄なんか買収されている。

 つまりは張り子の虎だった訳だが、巨人以外の11球団はそんな張り子の虎を盛り上げるための刺身のつまでしかなかった訳だ。1リーグ制とはいってもJリーグはナベツネの悪辣極まりないわがままを排除し、チームとしてのヴェルディは存在するものの野球のような悲惨な状況に陥らずに済んだ。しかし、プロ野球は仮に10球団で1リーグになったとしても、巨人が盟主で残りの球団は刺身のつまという状況が続けば、気がついたら6球団くらいになっているのではないか。そしていつのまにやら米大リーグのイチ地方マイナーリーグに陥っているのではないか。まあ、その時には野球は今のラグビーよりもマイナーなスポーツに成り下がっているだろうがそれはそれで大変結構なことだ。

 いずれにせよ、野球の嫌いな私としてはプロ野球の滅亡は望むところだ。日本ラグビー協会にもっと頑張ってもらって、もう一度ラグビーの黄金時代を築き上げてもらうためにも野球が衰退するのは喜ばしいことだ。早くプロ野球に滅びて欲しいものだ。

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