大停電時には戒厳令を(平成15年6月17日)

 従前より私は千葉港に原子力発電所を作るべきだと小さい声ながら主張してきた。別に千葉でなくても、お台場でも川崎港でもいいのだが、千葉に住んでいる人間が千葉と言わずに東京や神奈川の地名をあげることは、福島や新潟に作れというのと同じ事だからだ。なぜ、都市部の港湾に作らないのか、先日知人にこの話をした所、「だって危ないじゃない」と待ってましたの答えが返ってきた。すかさず、「じゃあ、新潟や福島の人は危なくてもいいのか?」とお決まりの罵声を浴びせ返したわけだが、そう、電力会社が都市部に原発を作れないのは、この都会の住民のエゴによる猛反対が予想されるからである。どこだって危ないに決まっているし、だからこそ、真剣な安全対策が求められるのではないのか。今回の東電のずさんなトラブル隠しも、過疎地に金ばらまいて原発作って、あまり大きな反対運動が起きない緊張感の無さが招いたのではないだろうか。大都会だろうが、田舎だろうが、原発の事故など絶対にあってはならないのであって、絶対にないのなら、大都会に作って悪い道理はない。地震による事故を心配するなら、新潟地震だって、宮城県沖地震だって起こる。大都会の住民と企業が呑み込む莫大な電力のためにそのリスクを地方の人だけに負わせるのは納得がいかない。

 さて、心配な大停電だが、このままでいけば間違いなく起こるだろう。もはや今の日本人に強制されずに全体を思いやるなんてことは期待出来ないからだ。大停電はいわばオーバーフローしてブレーカーが落ちるような状態で起こるらしい。ピーク時電力を瞬間的にしかも圧倒的にオーバーした瞬間に起こるという。東電の持つ原発17基のうち、近日中に再開が予想されるものを除いても15基が止まり、現在でも850万kw足りず、他の電力会社からの借り入れや解体途中の火力発電所まで急遽稼働させるなどのありとあらゆる究極の裏技を使っても、200万kw足りないらしい。そのXデーはやはり夏の甲子園の決勝の日だろう。今年の甲子園は中止してもらうか、関東では中継しないか、試合開始を夜間電力時間帯にしてもらうかするしかないだろう。この中では関東で中継しないっていうのが一番実現可能な感じがするが、それはさておき、この大停電は何をもたらすか。ひとたび起これば復旧には3日以上要するらしい。もう、究極のパニックである。この電気万能の時代に気温38℃、夜も熱帯夜という時に、3日も電気がなかったら。想像するだけで十分だろう。たった3日でも、もう生きているのも嫌になるような地獄絵図が想像出来る。うちわでも扇ぎながら、じっとしているしかないだろう。夜になったら真っ暗だから、犯罪も多発するだろう。本当、戒厳令ものだ。

 大停電を防ぐ手だてはないものだろうか。ある。まず、一番大事なことは東電管内に住む全ての人が、この恐ろしさを深く認識することである。一人一人が危機を認識しない限りは無理だ。例えば、上着ネクタイ革靴を着用しないとして、それをもって失礼だのと心の中でも思う奴は危機の認識がないということだ。ピークさえ回避出来ればいいのだから全員が心を一つにすれば出来ないはずはない。不要不急の仕事は極力しない。東電と気象庁が協力して停電警報を出し、なんとしてもピークを抑えることだ。そのためにはテレビの役目が重要である。前夜から朝にかけて警報を発した後は夕方涼しくなるまでテレビ放送を休止する。たまにはラジオに任せるのもいいのではないか。警報が発せられたらレンタルビデオ屋も営業自粛。とにかくクーラーの効いた部屋でテレビを見せないことだ。

 しかし、この自分勝手が3000万人も集まっている首都圏のこと、おそらく自分1人くらいという輩だらけで電力消費自粛など期待出来ないだろう。そうなると、やはり有事法制が必要になる。そう、明日は停電の危険性が高いとなったら、首相が非常事態宣言を出し、戒厳令を敷くしかない。自分勝手に電力消費する奴は片っ端からクーラーのない牢獄行きだ。命令を聞かずに営業した会社は営業停止処分。ネクタイをしている奴は即逮捕。有事法制でネクタイ禁止法が出来るといいな。せっかくスヌーピーのネクタイ所持が9本まで来たけど、しないにこしたことないもん。どだいスヌーピーのネクタイをしているのだって、アンチネクタイ思想からなんだし。

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