基地外も人、SARS患者も人(平成15年5月27日)

 木更津で基地外が女子高生を刺した。刺した。刺した。精神科入院歴のある男が意味不明なことを口走りながら被害者をメッタ刺し。殺人未遂。過去に何度か記憶のある、精神障害のおそれのある無罪確定の犯人による凶悪犯罪だ。かつて、森田芳光が「刑法第39条」という映画で訴えかけたことだが、未だに無辜の大多数は基地害の恐怖から逃れることが出来ない。そしてまた1人、犠牲者が出た。日本では、被害者の人権より加害者の人権の方に光が当たる。今回も被害者の名前は出ているが、現行犯の成人でありながら犯人の名前は伏せられている。無罪確定だからだよ。きっと、今の警察は犯人を逮捕するとまっさきに精神病の通院歴を調べるのではないか。無罪確定のやつの名前を発表すれば、後で人権派と称する弁護士会、学者グループ、某マスコミなどから袋だたきにされるだろうから。あるいは、警察発表では名前を出していても、精神病者で無罪確定なら人権を尊重するマスコミとしては、後で責任を追及されるくらいなら加害者の人権を守っといた方がいいと考えるのか。

 基地外も人であり人権は守られなければならない今の日本で、予防措置などまず無理なのではないか。よく産経の正論に小田晋先生が書いていることだが、実際問題なにせ人権問題だからな。触らぬ人権にたたりなしと腰が引けてしまうのが今の日本で、そのための被害者はこれからも出続けるだろう。1人の命は地球よりも重いと言って、過激派を平気で超法規に釈放してしまう国が、1人の命を守るために精神病者に対して予防措置もとれない。ぶつぶつ訳分からないことを言いながら、前から歩いてくる奴ならまだしも避けて通ればいいが、後ろからやられたらよけることは出来ない。

 今のところ幸いにして国内でSARS患者は出ていない。しかし、もし実際SARS患者が出たらどうなるのだろう。今の日本では自宅待機勧告が精一杯ではないのか。SARSは新感染症指定はされたようだが、現実問題として風邪やインフルエンザや一般の肺炎と区別して認定するには、公権力による強制力が必要である。しかし、ここで問題なのは先程の腰が引ける触らぬ人権にたたりなし現象だ。自覚症状のあるもの及びその家族は率先して隔離措置を受けるだろうが、果たして、そうした人達と同じ場所に居たというだけの理由で日本人は隔離措置を受け入れるだろうか。他人に迷惑をかけないなどの倫理的道徳的感覚に全く期待が持てず、人権だけが大手を振ってまかり通る今の日本に本当にSARSが上陸したら。。。考えるだけでも身の毛のよだつ状況である。

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