どう考えたってイラクより北朝鮮が先だろ(平成15年1月13日)

 明日にもテポドン・ノドン(しかもNBC付)が降ってきそうな雲行きなのに、電気代がもったいないからか普段全然テレビをつけていない脳天気な産経新聞社販売局ではありました。N(核)はともかくBC(生物化学)はいつでも乗っけられるらしいから、今この瞬間にも東京に天然痘ウィルスが降ってもおかしくないというのにテレビすらつけていない我が職場に恐怖を感じて明日から会社に行ったら、まずテレビをつけることにしよう。誰かが消したらまたつけるぞ。テレビの上に「北朝鮮情勢が不穏です。テレビは常時つけましょう」と看板もつけておくか。

 それはさておき、ここ数週間の北朝鮮情勢はイラク問題なんか平和も平和、なんにもないって言いたくなるくらい危険な状況になっている。今日の朝刊を読んでいたら、ハバロフスクで小泉首相と会談したプリコフスキー極東連邦管区大統領全権代表はこう言ったそうだ。曰く、「金総書記は常識を有した人で平等な条件で話し合えば、肯定的な結果を得ることが出来る」、「北朝鮮のエネルギー問題は危機的状況だ。エネルギー問題を解決すれば、核問題も解決するのではないか」と。常識を有した人が統治していれば、今みたいなエネルギー危機や食糧危機なんてないだろってんだ。エネルギー問題の解決ってのはつまり重油供給を再開しろっていうことなんだろうが、お前の金でやれよって言いたい。なんでもかんでも人の援助を頼りにして、だめなら脅かすなんてのはどこかの販売店みたいだ。

 さて、そんなこんなで核開発の継続を暴露したことに始まった北の核問題だが、IAEAの査察妨害、査察官国外追放、NPT脱退とどんどんエスカレートしてきた。大統領宮殿にまで査察を受け入れるイラクとはえらい違いだ。人呼んで瀬戸際外交というわけだが、こんなものチキンレースでも何でもない。追いつめられているのは常に北朝鮮で、国際社会でもなければアメリカでも日本でも韓国でもない。外国からの援助がなければ国民はおろか軍も食わせられない政府である。暴発を云々する人達は、最近伝えられる北朝鮮の100万人反米集会や国民に対して戦争を煽るテレビなどを見てどう思うのか。まるで居ながらにして1930年代のナチスドイツを見せられているようだ。金正日は「我が闘争」を愛読書にしているらしいが、対話による解決を言う人達は、ヒトラーとでも対話で解決出来る人達なのだろう。

 それでも、アメリカはイラク優先なのだろうか。どう考えても北朝鮮の方が50歩も100歩も先を歩く危険な存在だ。ここまで危険な北朝鮮には相変わらず外交努力でと言って、イラクはあくまで攻撃ありきというのでは、やはりアメリカの正義を疑わざるを得ない。イラク攻撃は後回しにしても、核の脅威を露骨に振りまく北朝鮮征伐の方がどう考えても先だと思うのだがいかがなものだろうか。

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