不景気が聞いてあきれる(平成14年12月21日)

 お金が払えないからと言って新聞を取らない世帯(無読者)が日増しに増えている今日この頃だ。いくら部数が増えてもボーナスがカットされてしまう程広告収入が落ち込んでいる産経新聞社や表にはあまり聞こえないが、前年比で相当深刻に広告収入が減っていると言われる朝日新聞社、あるいは、かつてサラ金のCMは流さないという話だったのにいつの間にか溢れかえっているフジテレビなどを見るまでもなく、日本の不景気は絶好調いや景気は絶不調である。小泉構造改革に怨嗟の声が上がり、竹中劇薬金融政策に罵声が飛ぶ時代だ。しかし、世の中明るい話題もある。

 それはイルミネーションだ。今年も東京ミレナリオ、神戸ルミナリエ、札幌ホワイト・イルミネーション、仙台光のページェントから果ては川崎駅前のやらない方がましな情けない電飾まで、町はクリスマスを境にした大がかりな電飾に溢れている。もちろん個人商店やレストラン、車のディーラーから東京サンケイビルの一晩中点灯しているクリスマス・ツリーまで商業電飾もたくさんある。しかし、そんなものは毎年のことだし商業的にも必要なものだから、別にどうってことはない。しかし、町田緑山を代表とする個人宅のイルミネーションは年を追って狂い咲きしてきているように思える。朝の8時に車で出て、夜は11時頃まで車で走り回っていると、そこいら中でクリスマス電飾を見かける。特に今年は多いような気がする。港北ニュータウンではマンションのベランダまで狂ったように電飾が輝いている。電気代も含めればかなりの金がかかっているし、明らかに人に見せて満足するパフォーマンスなのだが、何でこんなに流行るようになったのだろうか。誰かが、海外旅行に行くよりは遙かに安上がりで、家族みんなで楽しめると言っていたが、それにしたって一つの家で、明らかに10万以上の設備投資?をしていると思われる程派手なところもある。まあ、やるからにはみんな最低2、3万はかけているだろう。パッケージ屋で電飾の値段を見ていてそう思った。新聞代を払えないはずが携帯には一家で10万円くらいかかっていたり、クリスマス電飾に何万もかけているのを見ると、一体どこが不景気なのかと思う。そう、やっぱり景気は気からなのだ。どんなに景気対策を打つよりも、国民の気持ちを明るくするだけで景気は上向くのではないか。新聞やテレビが不景気を煽らず、日本は大丈夫だ、経済指標はともかく本当は景気はいいんだ、日本は裕福なんだと連日煽ればもしかしたら竹中改革より効くのではないか。家々を飾るクレージーな電飾を見ていて改めてそう思った。

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