救う会の集会に参加して(平成14年9月16日)

 全く恥ずかしい話だが、私は今日日比谷公会堂で行われた救う会の集会(総理訪朝緊急国民大集会・横田めぐみさん達を救出するぞ!第4回国民大集会)に4回目にして初めて参加した。「北朝鮮による拉致」被害者家族連絡会(家族会・代表横田滋さん)、北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟(拉致議連・会長石波茂代議士)、北朝鮮に拉致された日本人を救出する地方議員の会(地方議員の会・会長土屋敬之都議)、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会全国協議会・会長佐藤勝己現代コリア研究所長)の4団体の主催で行われたこの集会には2100名の人が駆けつけ、明日17日の小泉訪朝に向け、家族、拉致議連の代表が次々と想いを訴えた。しかし、なんといっても、司会の櫻井よしこさんの背景説明が絶妙であり、独壇場とも言えたと思う。来賓としてあいさつした崔祐英韓国拉北者家族協議会会長、李美一朝鮮戦争拉北者家族協議会会長の話と、お二人の用意した横断幕には泣けた。これが、その後の涙涙の始まりであった。石波会長のあいさつの後、米田建三(自民)、上田清司(民主)、漆原良夫(公明)、西村眞悟(自由)、小池百合子(保守)、平沢勝栄(自民)と次々に国会議員が壇上であいさつしたが、やはり一番人気は西村代議士だった。西村先生の「今回の総理訪朝の第一の議題は拉致問題の解決、第二の議題は拉致問題の解決、第三の議題は拉致問題の解決」という発言では会場割れんばかりの拍手となった。我らが小池先生は、マスコミが取り上げなかったことが最も解決を遅らせていると指摘し、平沢代議士はテレビでは見たことのない絶叫口調で、拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないと訴えた。ちなみに公明党の漆原先生は、家族の訴えの最中に途中退席したことも付け加えておこう。

 その後は家族の訴えとなったが、もうただただ涙が出てしまった。考えてもみよ、自分の子供、兄弟がある日突然神隠しにあったように失踪し、それが何の罪もないのに異国の地に連れ去られたとしたら。しかし、家族会の人達は誰も自分の子供さえ助かればいいなどと考えていない。認定されていない数十件の被害者も含めて、全員の安否が確認出来、帰国が実現しなければ意味がないと考えている。家族会の事務局長を務める蓮池薫さんのお兄さん、透さんは、憤った口調で、何であんな国と国交正常化する必要があるのか、全員の帰国が実現したら総攻撃を仕掛けたいくらいだと失言していた。会場全員(北のスパイを除く)が同じ想いであったことだろう。市川修一さんの義姉龍子さんの、ご両親が38度線のところで、威嚇射撃に遭いながら声を限りに息子の名を呼んだという話では本当に涙が止まらなかった。皆、拉致問題の解決無しに国交正常化など糞食らえというお話だったが、今回の訪朝には幸いにして安倍晋三官房副長官が同行する。昨年、靖国参拝を無理矢理8月13日にねじ曲げたとされる福田官房長官では何されるか分からないが、安倍副長官なら原則を守ってくれると期待したい。

 東京講演会情報というメルマガの9月10日号で、今回の大集会について、本来11月だったものを訪朝前日に急遽繰り上げたのは凄いことと褒め称えていたが、本当にその甲斐あって、来ていたテレビカメラや記者も凄い数だったし、数年前まで冷淡だったNHKまでがニュースで大々的に取り上げ、夜は横田さん夫妻にスタジオでインタビューまでしていた。そう、明日の朝日新聞だけは読もうと思う。平成9年2月の産経新聞の横田めぐみさんの記事が家族会立ち上げを促し、新聞協会賞を取らなければここまでの盛り上がりは考えられなかったろう。集会の最後に参加者全員で兎追いしの「故郷」を合唱したが、被害者の想いとダブって、筆者が涙で歌にならなかったのは言うまでもない。

 それにしても、念のため朝鮮総連のHPを見てみたが、案の定、拉致問題は捏造というトーンで貫かれていた。総連は北朝鮮と一体である。明日の会談で金正日はいきなり拉致問題は捏造と言ってくるかも知れない。小泉首相においては、もしそうなった場合には、すぐさま席を蹴って帰って来て欲しい。今日の集会の結論は、”拉致問題の解決無しに日朝国交正常化はあり得ない”である。この拉致事件は国家犯罪であり、国家テロであるから、現状では認めるはずもないし、甘い夢は捨てなければいけない。日朝国交正常化など糞食らえだ。今までに送った米を返せ。返したくなければ数十人の拉致被害者を一刻も早く返して謝罪しろ、それで戦前戦後の補償と償いなどチャラだ。

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