長野県知事選の告示を控えて(平成14年8月11日)

 2年前、このほーむぺーじで「田中康夫当選に当たって」という文章を書いた。その中で、”長野県民は旧来の体制を否定し、破壊してくれると期待する人物を選んだ。自民党も民主党も一緒になった県政会という最大会派と、120市町村の99%以上の首長が推薦する前副知事という大本命に対し、組織も何もないが知名度だけは抜群という対抗馬。オリンピック後の閉塞状況が続く長野県民にとっては願ってもない選択肢が揃ったのではないか。”と言ったのだが、結果的に県政会は知事不信任という伝家の宝刀を抜き、田中知事は失職、本来ならば、議会を解散すべきところ、失職後の知事選に再出馬という選択肢を選んだ。国政なら憲政の常道にもとる行為と言うべきなのだが、そこは大統領制の自治体選挙だ。議会を解散しても、子飼いの部下を持たない田中知事にとっては、県議会選挙などやっても、現在の議員の大半が再選されて来て、自分に対する不信任が確定してしまうのだから、そんなことやるはずがない。問題はやはり議会側にあった。後先考えずに不信任案を通し、出直し知事選の候補選びでもたつくという失態を演じてしまったのだ。私は全ページにマーキーを貼り付けているように、花岡信昭前産経新聞論説副委員長を勝手に応援している訳だが、県政会、自民党、民主党入り乱れて候補の打診をしていた節がある。

 花岡氏の話によれば、民主党の某国会議員と某県議から出馬の打診を受けており、田中秀征という有力候補が消えたとき、次は自分に正式打診が来ると思っていたそうだ。ところが、その間別ルートで飯田の女性弁護士に打診が進んでおり、結果的に、県政会・市長会・連合の中ではそちらを統一候補として推していく流れが出来上がっていた。その間、花岡氏にそういう説明はなく宙ぶらりんの状態だったそうである。その後、信州出身の保守系財界人の強力な助言を受けて花岡氏は出馬を決意し、社に辞表を出して出馬表明してしまった。巷間、民主党との間で次期国政選での協力など裏取引の噂があるが、本人曰くそれは絶対にないとのことだ。現に、飯田の女性弁護士には連合が支持表明しているし、民主党の羽田氏も今回の花岡出馬に激怒しているという話もあるくらいだ。花岡氏は、田中に勝てればいいという観点だけで、女性を引っ張り出したことに怒りを感じたという。しかもその人が世間一般に言われるような、旦那がこれもまた弁護士で自民党べったりの顧問活動をしているということの他に、ご本人がピンク色(赤くはないがそれに近い)の人だという噂話もあって、そういう噂のある人を県内旧勢力がこぞって推薦しようとする欺瞞にも憤りを感じているという話もある。ここに出てくる話はどれもこれも選挙につきものの為にする噂であるということは百も承知なのだが、それでも釈然としない思いは残る。

 いよいよ、15日に告示を迎えようとしているのだが、我が花岡陣営は人も金もない状態で悪戦苦闘を続けている。私も、自分の持つ能力で出来ることは極力やろうと思っている。しかし、何せ、産経新聞社は役員会の機関決定として花岡支援まかりならぬと決定しているという噂もあり、あまり表立って応援も出来ないが、三三七拍子に飲みに行くついでにちょっとお手伝いしたということで、少しでも花岡さんが恥ずかしくない戦いを出来るよう支援しようと思う。 

 前回知事選と違い、政官一体の大政翼賛候補とペログリだけどとりあえず民間人という構図ではなく、さまざまな選択肢が提供された今回の知事選である。池田に入れたくないけど共産党じゃ嫌だから田中に入れたという前回と違い、今回は多様な選択肢の候補が出馬している。田中は嫌だけど、県政会候補も嫌だという人の受け皿だ。そう考えれば、花岡氏も必ずしも泡沫ではなく、結構有力な候補だと思えるのだが、意外と田中人気は根強い。県政会その他の恐れる反田中候補の乱立による田中圧勝となるのか、それとももつれにもつれるのか。ひとえに花岡さんの頑張りにかかっていると思う。そう言う意味でも、花岡さんを応援していきたいと思う。

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