続日中友好なんていらない(平成14年5月11日)

 日中友好なんていらないと前回ここに書いていたとき、ニュースを見ていなかったので、あのような大事件が起きているなんて知らなかった。アップしてしまってから、ニュースで瀋陽総領事館の事件を知って、まあ、言ってる側からよくこんな事件が起こるもんだなどと思っていた。とんでもない事件ではあるが、国民の覚醒を促すにはいい事例になったと思う。そう、中国とはこういう国、日本の外務省とはこんなものということが白日の下にさらされたという意味では実にタイミングがよかった。次回発売のSAPIOでの古森さんの連載「亡国の日本大使館」での筆鋒が楽しみである。

 日が経つにつれ、中国側があの手この手の言い訳を用意してきているが、日本の外務省の対中事なかれ主義を考えれば、あり得ない話ではないとも思える。そこにつけこんで嘘を言っているのかもしれないが、いずれにせよ、外務省の対中姿勢、日本政府の対中姿勢、さらには日本国民の対中姿勢が今回の事件を呼び込んだと言える。

 私の言う日中友好なんていらないとは、中国の求めるような形での友好なんていらないということだが、結局のところ中国の市場としての魅力に勝てない経済界の後押しが対中弱腰外交の根幹である。それは戦前の帝国主義諸国が中国に魅せられ、対中進出を競い、結果として世界大戦を引き起こしたのと同じ幻想だ。中国の広さと人口はそりゃあ魅力だろう。現在も世界中の国が中国でのビジネスを望んでいる。しかし、日本企業が進出しようとすれば、必ず侵略戦争の責任問題にぶつかる。中国の権益を求めて戦争をし、それに敗れたのだから、潔く中国市場を諦めるべきなのだ。それなのに、過去の壁を乗り越えて進出しようとするから、低姿勢にならざるを得ない。それは日本の外交の足も引っ張る。日中国交正常化30周年を迎えるというが、国交が回復したと言って何もかも忘れたように我も我もと中国へ経済進出しようとするから足許を見られるのだ。

 日中友好を一回ご破算にし、対中侵略戦争の反省と称して、中国から全ての企業が引き上げるくらいの勇気が必要だ。不法入国中国人の犯罪を徹底的に取り締まるためにもその覚悟は必要だと思う。中共の顔を伺っているから何も出来ないのだ。日本が行かなければ、他国に利益を取られるなどと考えてはいけない。日本のオールトータルで考えれば、日本企業が中国企業に騙されて損する金や、対中ODA含めて、中国に吸い取られている金は生み出す利益より大きいかもしれない。何度でも言うが日中友好なんていらない。

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