今こそ、小泉構造改革路線に支持を(平成14年2月2日)

 アフガン国際会議のへのNGO参加問題に端を発するごたごたで、田中真紀子が更迭された。反米親中を隠そうともしない、ただ対立するだけで外務省の最高責任者としての当事者能力を発揮できない外務大臣は、国益に沿わないから、いずれは切らなければいけないところだったが、理由はどうあれ、辞めて頂いてよかったと思う。結果として、鈴木宗男を議運委委員長から引きずりおろせたのだからなお良かった。しかしながら、田中真紀子を放逐したことにより、小泉内閣の支持率が下がろうとしている。単に支持率が下がるだけなら、歴代の内閣だってみんな支持率が低いのだから別に構わない。だが、小泉純ちゃんは四面楚歌の中で、支持率の高さだけを背景に抵抗勢力を排除して政策を進めようとしているのであり、支持率低下は即、抵抗勢力の声が大きくなることを意味している。

 抵抗勢力は、口々に言う。構造改革よりも景気対策だとか、一内閣一閣僚も結構だが、時には流れを変えることも必要だ云々。。。本当にこいつらは、と思う。きっと日本の社会経済政治構造が変わることが何よりも怖く、先延ばしにしたいのだろう。一内閣一閣僚もしかりだ。年がら年中内閣改造をやることによって、自民党の派閥支配構造を作ってきたのだから、2年も内閣改造がなければボスどもは干上がってしまう。人事こそ最大の権力の発揮だからだ。また、大臣がコロコロ変わることにより、キャリア官僚達は政治家である大臣の統制を受けずに国政を壟断してきた。一内閣一閣僚は自民党政治の強烈な構造改革だ。

 デフレスパイラルという呪文を掲げて景気回復を優先せよと迫る勢力が掲げる景気対策は、相も変わらず税金(今や借金)の逐次投入である。いくら金を注ぎ込んでも日本の景気が回復しないことは、この数年の経験で十分分かっているにもかかわらず、未だに金を注ぎ込めと声高に叫ぶのは、自分がそのキックバックを欲しいと言っているに他ならないことに気が付かないのだろうか。

 構造改革によってもたらされるものは何か。それは、日本の国際社会での信頼回復であり、日本人の自信の回復でなければならない。何故景気がよくならないかと言えば、みんな金を使わないからである。金は回転させなければ大きくなっていかない。何故金を使わないかと言えば、将来が不安だからである。年金制度一つ取ってみたって、現在の国家財政あるいは年金財政では将来的に立ち行かないと言うことをみんな知っている。そうなれば、怖くて金を使わなくなるのは当たり前である。ペイオフにしてもそうだ。抵抗勢力はペイオフ延期を叫ぶが、銀行が潰れることより、預金の流動性を高める事の方が今の鬱血した日本経済には重要だと私は思う。これら個別の事柄については、いずれそれぞれ書きたいと思うが、いずれにせよ、抵抗勢力が持ち出してくる、反構造改革の叫びは、現在の利権を死守したいあまりに、日本を安楽死の方向に持っていこうとしているように思えてならない。

 たかが、田中真紀子の更迭ぐらいで、小泉純ちゃんの政権基盤を揺るがせば、日本はもはや立ち直れなくなるだろう。純ちゃんがだめで、その後に小沢一郎を首班とする、挙国一致内閣でも出来るならともかく、今の自民党の政権(=利権)維持構造では無理な相談だ。自民党のまま、構造改革を進めるなら、やはり、小泉純一郎に踏ん張ってもらうしかないのである。

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