何をかいわんやの韓国観光業界(平成13年8月1日)

 今日、8月1日付の産経新聞社会面にソウル発名村隆寛特派員の記事で面白いのが出ていた。教科書問題で対日交流の規制を次々に打ち出す韓国への夏休みシーズンの日本人観光客が激減しているというのだ。私あたりに言わせればそりゃ当たり前だろう、とか、ざまあみろと言いたいところなのだが、今回の問題の本質が教科書問題であって教科書問題でないところが、韓国観光業界にとっての悲劇である。扶桑社の教科書が盛んに批判されているが、さすがの朝日も今回は復古調教科書とは書いていない。というより書けないのだ。何故なら今回の扶桑社の教科書はほんの20年前まで使われていた教科書と内容に大差ないからだ。つまり、ある一定の年齢以上の人にとっては当たり前のごく常識的なものだからだ。しかし、日本の歴史教科書は昭和57年の「侵略進出誤報事件」以降大きく変わってしまった。おかしいのは今の教科書であって、扶桑社版は戦前に戻った訳ではなく昭和50年代に戻っただけなのだ。

 まあ、それはさておき、じゃあ、何の問題かといえば、今回の問題は日中問題でも日韓問題でもなく、日日問題であり、中中問題であり、韓韓問題なのだ。ここでは話題の韓韓問題を取り上げるが、答えは簡単だ。金大中は昨年平壌を訪問し、南北問題をいよいよ解決するかに見えたが、案の定、北に利用されただけに終わり、いまや金大中の太陽政策は批判にさらされ、支持率も極端に下がっている。そこで、困ったときの日本頼みで国内の反日ナショナリズムを盛り上げようという訳だ。今回の教科書問題はつくる会が発足した5年前から始まっているはずだが、決定的になったのは昨年秋からである。自国の歴史歪曲国定教科書(この点は中国も一緒)は棚に上げ、日本の自由な検定制度の結果にいちゃもんをつけようというのだから、言いがかりも甚だしい。誰がどう考えようと内政干渉以外の何者でもないのに、自分達の偏狭さをより印象づける行動に出てしまったのだ。日本文化の解禁凍結、文化交流の停止etc.etc.だ。韓国は日本を敵にしておかないと国がまとまらないのだ。そして、それが結局自分達の首を絞めることになった。

 記事に登場する韓国観光公社の日本部長は、懸念しているのは教科書問題(おそらく靖国問題も)の長期化で、「民間の観光旅行は政府レベルの教科書問題とは関係ない。早く正常に戻って欲しい」と言っている。韓国政府では事態を重視し、日本で大手旅行代理店の協力を得て、韓国観光キャンペーンを急遽展開しているという。何をかいわんやとはこのことで、自分達は中高生の交流まで中止させておきながら、外貨を運んでくれる馬鹿日本人はどんどん来てくれという。開いた口がふさがらない。

 さて中国問題だが、井沢元彦氏が自身のHPで面白いエッセーを書いているので是非読んでいただきたい。

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