さよなら20世紀、こんにちは21世紀(平成12年12月31日)

 今日で20世紀も終わり、明日からは21世紀。別にどうってことない今日と明日、今年と来年なのだが、人間区切りが好きなもので、去年のミレニアム騒動同様、結構な騒ぎとなっている。大体日本人にとっては19世紀が終わるまで世紀(西暦)の概念がなかったのだから、1600年に関ヶ原の合戦があった以外は、日本史上めぼしい事件もなく、この年を境に何かが変わったなんてこともない。それでも、前回書いた、「善行は葬られ悪行は残る」ではないが、人は何かの区切りをきっかけに変わりたいという願望があるので、キリストの世紀でも何でもすがりたいのだろう。

 じゃあ、21世紀はどんな世紀かと問われれば、20世紀にSFだったことが現実になる世紀ということだろうか。とりあえずは、ITの世紀の方が宇宙の世紀より先に来そうだ。先日も取り上げた、モバイル社会だが、モバイル&ネット社会の到来によって紙媒体は危機に陥るだろう。もちろん我が新聞媒体を含めての話だが、新聞、書籍、雑誌という大容量の紙媒体は、全てネット化するには現在の容量、通信スピード、解析スピードではまだまだ難しい部分がある。当面、A4用紙1、2枚程度以内の紙媒体があっという間になくなっていくだろう。

 それはさておき、明日は年賀状の配達日である。(といっても、大手町、丸の内界隈ではすでに29日から配られているが。)私は小泉純一郎の郵政三事業民営化に大賛成の立場だが、年賀状は言ってみれば、私立大学にとっての入学試験料みたいなもんで、これがなくなったら郵便事業の赤字は単純な値上げじゃ済まなくなるだろう。去年から年賀状をまともに書かなくなって、以前は会社の分を除いても300枚も買っていたのに、返事用に100枚しか買っていない。あとは、極力メールで済ますつもりで、失礼する方も多いかと思うが、いずれは世の中の大勢がそうなるだろう。年賀状がなくなれば、郵便事業はもはや立ち行かなくなる。しかも替わりになるものが、森首相も分からないなりに一生懸命推進しようとしているITなら、まさか税金で維持しようということにもならないだろう。小泉先生、ご安心下さい、いずれIT(時代)が郵政三事業を追い込んでくれます。というわけで、来年もよろしく。

今日のコラムのトップへ

旅人のほーむぺーじ トップへ