大事なのはイヴ(平成12年12月29日)

 今年も喧噪のクリスマス商戦が終わった。26日の朝、ホテルのテレビをつけると、エリザベス女王やローマ法王がミサに臨んでいる映像がBBCから流れていた。そうそう、クリスマスはそもそもキリストの聖誕祭なんだよなと妙に納得させられる場面だった。翻って日本はといえば、クリスチャンでもない連中が、クリスマス・イヴになるとカップルで街に繰り出し、馬鹿騒ぎして仕舞いにはホテルへ消えていく。欧米のキリスト教徒がこの光景を見れば、やはり日本人はおかしいと思うだろう。というより、神の冒涜と怒らない方が不思議だ。

 ラジオで誰かが言っていた。日本では大事なのはクリスマス・イヴで25日になると今度はとたんに正月モードになると。日本人は外国のものはなんでもありがたく頂いてしまう習性があるが、バレンタインデーにしろ何にしろ、宗教性があろうがなかろうが、お祭り騒ぎが出来るものは何でも取り入れてしまう。やはり、これもお人好しの民族性の一つだろうか。

 まあ、それほど目くじらを立てるほどのことではないが、毎年気になる光景である。

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