タバコを吸う奴に人権なんかない(平成12年11月6日)

 産経新聞社は10月から新東京サンケイビルに移転したが、このビルは全館完全分煙かつオフィス内飲食禁止である。インテリジェントビルと銘打っているところはみんなこうなのかと嘆くばかりだ。禁煙の嵐は社員食堂にまで及んでおり、年中無休の新聞社の社員食堂が土日祝は完全禁煙、平日も喫茶コーナーの片隅だけの喫煙スペースである。もう随分前から、同僚や友人の家に行けば、夫婦そろってベランダで吸っている。ちなみに私は平気で吸っていたが、これも遠因か?

 そりゃあ、タバコは身体に悪いだろう。肺ガンにも成りやすいだろう。子供の時から吸ってりゃ馬鹿にもなるだろう。しかし、それは、元々吸わない人にとっての話だ。私が物心ついてしばらくは両親共々タバコを吸っていた。(母はある日突然やめてしまったが)昔の家は気密性が低かったが、今の家はそうじゃないからベランダで吸えということだろう。

 私は、タバコと酒を止めたら、病気の前にストレスで死んでしまうのではないかと心配している。現にストレス死としか言いようのない"ある朝突然死"を目前で見てしまったのだから。

 旧国鉄債務の穴埋めの一部にタバコ消費税が使われることになってもう1年以上経つが、旧国鉄が作ったレールで走っているJR各社の禁煙車両はますます増え、ホームの喫煙所は相変わらず隅っこに1、2ヶ所という有様である。喫煙者に元々は自分達が作った赤字を背負わせておいて、その喫煙者を邪険に扱うとは何事か。

 分煙、禁煙オフィスの増大は、その職場のトップが吸うか吸わないかにかかっている部分が多分にある。ヒトラーはタバコを吸わなかったらしいが、現代のように、喫煙の害についてうるさくなかったからよかったようなものの、もしそうでなかったら、優秀なゲルマン民族を滅亡に陥れるとして、タバコを禁止した上、喫煙者を強制収容所送りにしたに違いない。何せ、世論が味方になるのだから。

 伏流煙被害の話があるが、常時喫煙職場で働く非喫煙者と完全分煙職場で働く非喫煙者の間に肺ガン発生率でどの程度差があるか、(マウスでなく)人間のデータで実証して欲しい。どうせそんなデータ取れないに決まっているし、差があるとも思えない。大都市の真ん中で働いている人間は、どのみちガス室で生活しているようなものだ。

 差別はいけないと大騒ぎするなら、この喫煙者差別も問題にして欲しいものだ。なにしろ、喫煙者に人権があるとは思えないのだから。

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